各種研究集会のお知らせ(2016年第1四半期・開催日順)

このページは、会員の皆さんから寄せられた、研究会、学会または研究・教育機関等が開催する研究集会のご案内です。デザイン上若干変更させていただく場合もございますが、原則として寄せられた情報をそのまま掲載しています。内容についてのお問い合わせは、それぞれの問い合わせ先に直接お願いいたします。またこのページに情報を掲載したいかたは、こちらをご覧下さい

第132回比較民俗研究会

開催日時:2016年1月8日(金) 17:00〜19:00
開催会場:神奈川大学横浜キャンパス9号館9-212共同研究室
発表者とタイトル:
阿部宇洋(農村文化研究所研究員)
「軍事資料から見える心意―山形県置賜地方の場合」
主催:比較民俗研究会
問い合わせ先:
程 亮(テイ リョウ・神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程)
TEL: 080-3201-8006
その他の情報:
参加費不要。発表後に大学近くのお店にて懇親会。

民俗芸能学会第157回研究例会

開催日時:2016年1月9日(土) 14:00〜(13:30開場)
開催会場:早稲田大学6号館3階 演博レクチャールーム
(東京メトロ東西線「早稲田」駅下車)
発表者とタイトル:
平井暁子(パリ大学)
「神楽とは:娯楽?それとも儀礼?」
司会:俵木悟(成城大学)
コメンテーター:久保田裕道(東京文化財研究所)
発表要旨:
 神楽は、神のための儀礼舞踊と説明されながら、それとは全く異なる意味の民俗芸能の下位分野とされる。このような混乱の生まれた要因として、民俗芸能の定義が学術的な検証、規定によりなされたのではなく、行政主導で行われた伝統文化保護及び観光資源化のための枠組みであったからだと考えられる。これについては、既にこれまでの研究で明らかにされている。
 近年、伝統文化に価値を付加する取り組みとして、ユネスコの文化遺産登録の活動が日本でも盛んに行われている。そのユネスコ本部のあるフランスでは、神楽は「Divertissements rituels(儀礼的娯楽)」であると説明される。日本語の民俗芸能とは、全く異なる訳語である。果たして神楽は、儀礼なのか、それとも儀礼から始まり、やがて宗教的意味の失われてしまった娯楽なのか。
 神楽という語は、これまで学術的に規定されないまま、曖昧に用いられてきた。したがって、その音楽も規定されずに、その囃子があたかも芸術音楽であるかのように取り扱われてきた。しかし、実際に伝統的な神楽の上演の場に足を運んでみると、そこには人々を楽しませるだけのために演奏される芸術音楽とは異なり、宗教的要素が多く散見される。そこで耳にする音も、囃子だけではない。
 そこで本発表では、神楽の音楽が取り上げられるときに、自動的に切り捨てられているこのような音も含め、神楽の音を整理する。そうすることで、神楽の研究上、音楽と認識されることなく除外されてきた音に光をあてることができ、更にそれらが儀礼上の重要な目的を持っていることがわかる。これらを総合的にみると、神楽は民俗芸能ないし儀礼的娯楽というよりもむしろ、「Rituels divertissants(娯楽的儀礼)」であることがわかる。
主催:民俗芸能学会
問い合わせ先:
民俗芸能学会事務局(早稲田大学演劇博物館内)
E-mail: office★minzokugeino.com(★は@に変えて下さい)
URL: http://minzokugeino.com/meetings.html
その他の情報:
参加費:200円(会員でなくても参加可)

第9回熊野学フォーラム

かけあがるたいまつ ―霊場「熊野新宮」の祭りから考える―

開催日時:2016年1月16日(土) 13:00〜17:00
開催会場:明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン3階
(JR「御茶ノ水」駅下車、徒歩3分)
プログラム:
基調講演
「現代一揆ののろし」山折哲雄(宗教学者)
講演
「熊野の祭り」金山秋男(明治大学法学部教授)
「熊野速玉大社の御船祭」吉川壽洋(和歌山工業高等専門学校名誉教授)
「御燈祭は焦熱地獄」山本殖生(熊野三山協議会幹事)
座談会
「熊野 火と水の祭」
主催:和歌山県新宮市・明治大学
後援:文化庁・和歌山県・国際熊野学会・熊野学研究委員会・NHK和歌山放送局・日本経済新聞社・朝日新聞
問い合わせ先:
新宮市文化振興課
TEL: 0735-23-3368
その他の情報:
申込み先……明治大学(03-3296-4423 / http://kumanomori.info/?page_id=897
入場無料
同時開催:交流の夕べ 会費3000円(事前申込制・アカデミーコモン2階)

第104回神奈川大学日本常民文化研究所研究会

開催日時:2016年1月20日(水) 17:30〜19:00
開催会場:神奈川大学横浜キャンパス9号館11室
(東急東横線「白楽」駅下車、徒歩15分)
発表者とタイトル:
金京秀氏(貴州大学教授/神奈川大学日本常民文化研究所客員研究員)
「東アジア人類学の歴史はどのように書くべきか」
主催:神奈川大学日本常民文化研究所
問い合わせ先:
神奈川大学日本常民文化研究所
〒221-8686 横浜市神奈川区六角橋3-27-1
TEL: 045-481-5661 内線4358
その他の情報:
参加申し込み不要。直接会場へお越しください。

第134回比較民俗研究会

開催日時:2016年1月29日(金) 15:00〜17:00
開催会場:神奈川大学横浜キャンパス9号館9-212共同研究室
発表者とタイトル:
渡邊欣雄(國學院大學教授)
「市場経済化する中国文化」
主催:比較民俗研究会
問い合わせ先:
程 亮(テイ リョウ・神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程)
TEL: 080-3201-8006
その他の情報:
参加費不要。発表後に大学近くのお店にて懇親会。

第135回比較民俗研究会

開催日時:2016年2月5日(金) 15:00〜17:00
開催会場:神奈川大学横浜キャンパス9号館9-212共同研究室
発表者とタイトル:
全京秀(中国貴州大学教授)
「1945年前後の岡正雄と日本民族学の政治化」
主催:比較民俗研究会
問い合わせ先:
程 亮(テイ リョウ・神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程)
TEL: 080-3201-8006
その他の情報:
参加費不要。発表後に大学近くのお店にて懇親会。

慶應義塾大学人類学研究会

修士論文発表会

開催日時:2016年2月5日(金) 16:00〜18:30
開催会場:慶應義塾大学三田キャンパス 第1校舎4階142B
(JR「田町」駅より徒歩10分)
発表者とタイトル:
張理礼
「中国少数民族の出稼ぎ労働と『留守児童』に関する研究 ―貴州省黔西南安龍県の事例から―」
尹怡景
「海女文化の継承可能性に関する考察 ―韓国済州島の事例から―」
吉川侑輝
「音楽をめぐる活動のエスノメソドロジー研究 ―日本における『古楽』実践を事例として―」
主催:慶應義塾大学人類学研究会
問い合わせ先:
慶應義塾大学文学部社会学専攻 三尾裕子
TEL: 03-5427-1287
E-mail: YQB03736★nifty.com(★は@に変えて下さい)
URL: http://qingyingrenleixue.web.fc2.com/index.html

第3回震災共同研究会

開催日時:2016年2月7日(日) 13:00〜18:00
開催会場:東北大学東北アジア研究センター436室(川内キャンパス川北合同棟4階)
(仙台市営地下鉄東西線「川内」駅下車、徒歩1分)
プログラム:
プログラム1 被災無形民俗文化財調査の3県比較
1. 大舘勝治「東日本大震災民俗文化財現況調査で教えられたこと」
2. 小谷竜介「東日本大震災から5年を経て調査データがどのように使えるのか」
3. 一柳智子「福島県における民俗芸能被災調査5年間の経緯と現在(仮)」
4. コメント&討論(久保田裕道・吉田優貴)
プログラム2 研究発表
5. 伏見英俊「『ふるさと』喪失の中で菩提寺に求められるもの ―東京電力との和解交渉プロセスを通して、被災地における寺院の役割を考える―」
6. 堀川直子「原発災害後の移住政策と『境界』の発生(仮)」
7. 福田雄「南三陸町における東日本大震災の慰霊・追悼について(仮)」
8. 及川高「自主避難者をどう受け入れたか―沖縄の被災者支援体制とその課題(仮)」
9. 梅屋潔「気仙沼市の調査について(仮)」
プログラム3 成果報告についての話合い
主催:東北大学東北アジア研究センター共同研究「東日本大震災後の復興過程に関わる地域社会比較と民族誌情報の応用」
問い合わせ先:
東北大学東北アジア研究センター 山口睦(教育研究支援者)
TEL: 022-795-3621
E-mail: mutsumi.yamaguchi.d4★tohoku.ac.jp(★は@に変えて下さい)
その他の情報:
参加費、事前申し込み等不要です。

神奈川大学国際常民文化研究機構/日本常民文化研究所 国際研究フォーラム

Homo material ―人と民具と暮らしの国際比較― (道具は身体の延長であり、人は道具的存在である。)

開催日時:2016年2月20日(土) 10:00〜17:50
開催会場:神奈川大学横浜キャンパス24号館105教室
(東急東横線「白楽駅」下車、徒歩13分)
プログラム:
趣旨説明
佐野賢治(日本常民文化研究所所員)
基調講演
神野善治(武蔵野美術大学教授)
“民具”の形態学 ―伝統のカタチをいかに解読するか―
Morphology of "Mingu" : How to decipher the traditional forms
パネルディスカッション
ジョセフ・キブルツ(フランス・国立科学研究所研究主任)
お札(ふだ)に読める民間信仰 ―柴又帝釈天をめぐって―
The World of Folk Beliefs: The Taishaku-ten of Shibamata
孟凡行(中国・天津工業大学芸術与服装学院副教授)
民具の性質と文化構造 ―中国貴州省六枝ミャオ族の民具研究を例として―
The nature and cultural structure of folk implements: The case of folk implements used by Miao people in Liuzhi, Guizhou, China
鄭然鶴(韓国・国立民俗博物館学芸研究官)
漁法・製塩技術からみた漁村生活
A study on fishing communities focused on fishing methods and salt manufacturing technique
山田昌久(首都大学東京教授)
道具と資源環境 ―運用技術・道具名称・交渉環境を探る―
Tools and Natural Resources: Skills, tool names, environmental factors
眞島俊一(TEM研究所長)
現代の日常生活行動のパターンの調査報告 ―その相関関係の4つの要素、道具、技術、環境、人間から―
Survey of Patterns of Actions in Modern Everyday Life: Correlation of the four elements of the survey (tools, techniques, environment and humans)
総合討論
コメンテータ:李惠燕(木浦大学校)および登壇者
主催:神奈川大学国際常民文化研究機構/日本常民文化研究所
問い合わせ先:
神奈川大学国際常民文化研究機構
TEL: 045-481-5661 / FAX: 045-481-3155
URL: http://icfcs.kanagawa-u.ac.jp/news/2015.html#151211_01
その他の情報:
参加無料・事前申込不要(先着順)

公開シンポジウム「イエ亡き時代の死者のゆくえ」

開催日程:2016年2月20日(土)〜21日(日)
開催会場:東京都青山葬儀所
(東京メトロ千代田線「乃木坂」駅下車、5番出口より徒歩3分/東京メトロ銀座線・半蔵門線・都営地下鉄大江戸線「青山一丁目」駅下車、5番出口より徒歩12分)
プログラム:
2月20日(土)
12:30 開場
13:00〜13:10 開会の挨拶・企画の趣旨
13:10〜13:40 鈴木岩弓(東北大学教授)
「死者を忘れない ―“死者の記憶”保持のメカニズム―」
13:40〜14:10 谷川章雄(早稲田大学教授)
「発掘された江戸・東京の墓 ―家と個人をめぐって―」
14:10〜14:40 朽木量(千葉商科大学教授)
「屋敷墓から見た近世・近代」
14:40〜15:00 休憩
15:00〜15:30 山田慎也(国立歴史民俗博物館准教授)
「納骨堂の成立と展開」
15:30〜16:00 森謙二(茨城キリスト教大学教授)
「〈家〉なき時代の葬送と法」
16:00〜16:50 質疑応答
2月21日(日)
12:30 開場
13:00〜13:30 小谷みどり(第一生命経済研究所主任研究員)
「誰が死者を弔い、お墓を守るのか」
13:30〜14:00 槇村久子(京都女子大学名誉教授)
「個人化・無縁化社会を超える葬送墓制」
14:00〜14:30 村上興匡(大正大学教授)
「葬儀研究からみる弔いの意味づけの変遷」
14:30〜15:00 休憩
15:00〜15:30 コメント 戸松義晴(日本宗教連盟元事務局長)
15:30〜16:50 討議
主催:東北大学宗教学研究室
問い合わせ先:
東北大学宗教学研究室
〒981-3214 仙台市青葉区川内27-1 東北大学文学研究科
TEL: 022-795-6022
その他の情報:
参加費無料・事前申し込み不要
当日、希望者は青山葬儀所を見学できます(10:00〜12:30、17:00〜18:00)
*本シンポジウムは、科学研究費補助金(基盤研究(B))「現代日本の葬送墓制をめぐる<個>と<群>の相克―東日本大震災を見据えて―」(代表:鈴木岩弓)による研究成果に基づく報告である。

第4回理論民俗学研究会

現代アメリカ民俗学の研究動向:エスノグラフィー、パフォーマンス、そしてフォークロレスク

開催日時:2016年2月26日(金) 10:30〜17:30
開催会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス1405教室(アプローズタワー14階)
プログラム:
10:30〜12:30 Jeffrey A. Tolbert(インディアナ大学大学院・民俗学PhDキャンディデート)
「現代アメリカ民俗学の研究動向:エスノグラフィー、パフォーマンス、そしてフォークロレスク」
13:30〜17:30 討論
*報告・討論は、通訳を介して日本語で行ないます。
主催:理論民俗学研究会
問い合わせ先:
理論民俗学研究会事務局 島村恭則
E-mail: tshimamura★kwansei.ac.jp(★は@に変えて下さい)
その他の情報:
参加費無料・事前申込み不要

第107回現代人類学研究会

特集:民俗学の方法

開催日時:2016年2月27日(土) 15:00〜18:00
開催会場:東京大学駒場キャンパス14号館407教室
(京王井の頭線「駒場東大前」駅よりすぐ)
プログラム:
加藤秀雄(成城大学民俗学研究所研究員)
「自治空間としての生活世界と伝承」
 伝承−良くも悪くも、この概念は民俗学の独自性を示す極めて特徴的なものの1つであると言える。伝承は民俗学の研究対象であると同時に、その方法をも規定するものとして用いられてきた。しかし、その対象・方法を巡る規定は民俗学の独自性を担保するものであると同時に、視野狭窄を招くことにもなったとされ、旧来の伝承概念に囚われた民俗学では現代社会の多様な現実に対応することが出来ないとする批判が、近年、噴出している。
 これらの批判が前提とする伝承は、過去−現在における、その連続性/同一性を要件とするものであり、そのような要素が見出されるものばかりを対象化していては、人間の「生活の総体」や「実践」を看過することに繋がると言うのである。
 しかし果たしてそのような伝承は、民俗学においても、生活世界においても自明のものとしてありうるのか、実は伝承は、そのような規定とは全く別のものとして定位される可能性があるのではないか。これが本発表における基本的な問いである。
 今回の発表では伝承を巡る従来の議論、批判を概観しながら、それをどのように定位し直すことが可能かということについて論じ、その現在的なアクチュアリティを「自治」の問題と関連させながら明らかにしていく。「自治」という問題は、「システム」に囲繞された現代社会においてこそ、問われるべき課題であり、伝承はその基点となりうるものであると発表者は考える。本発表を通して、その回路がどのものであるのかということを示していきたい。
金子祥之(東京大学東洋文化研究所特任研究員)
「農政学者柳田国男の中間集団論」
 本報告では農政学者・柳田国男の中間集団論がどのようなものであったかを明らかにしていく。
 現在民俗学では、公共民俗学が主張されはじめている。それは同時代の社会的課題に寄与することを目指した新たな潮流である。こうした潮流は、アメリカ民俗学を中心に、民俗学の分野では世界的な潮流となっている。たしかに日本の民俗学は、あえて「公共民俗学」を名乗らねばならないほどに、同時代的課題とかい離したかたちで知識生産がなされてきたことも事実である。
 ところで柳田国男が日本民俗学を成立させるまでには、成功体験ばかりでなく、さまざまな挫折や紆余曲折を経てきたことが知られている。とりわけ民俗学以前の―農政学者としての―柳田国男は、今日の公共民俗学のいう「社会実践」を強く意識していた。そこで本報告では、農政学者としての柳田国男に焦点をあててみたい。
 具体的には、この時期の柳田国男の中間集団論に注目をしたい。この時期の柳田の主張には「コミュニティ」「アソシエーション」という枠組みに収まらない、近代化に対応するための中間集団が構想されていることを指摘することになろう。それにより、現代社会で求められている、中間集団の豊富化に寄与することを目指したい。
コメンテーター:小田亮(首都大学東京教授)
開催趣旨:
 民俗学の方法とは何かという問いを立てた時、まず想起されるのは、柳田國男のそれを指して「無方法の方法」と呼んだ吉本隆明の言葉である。柳田の学問=民俗学であるか否かという点については、論者によって様々な意見の違いがあるものと思われるが、少なくともこの両者が無関係であるということはありえない。両者に通底するもの、あるいは断絶があるとすれば、それを検証する作業は民俗学の輪郭を明らかにするものとなっていくに違いないだろう。
 吉本は、「柳田の方法」を「数珠玉と数珠玉を「勘」でつなぐ」ようなものであると述べており、そこからは決して「抽象」に至らないとしている。このような評言は「理論の不在」という人口に膾炙した民俗学のイメージ形成にも多大な影響を与えるものであったと考えられるが、このイメージには明らかな誤解がある。柳田には吉本の言うそれとは異なる明確な方法論が存在していたし、民俗学プロパーであれば周知のように、その歴史は理論と方法を巡る論争の歴史でもあった。
 仮に現在の民俗学と柳田を含む過去の民俗学との間に乖離が存在するとすれば、それは半世紀以上の時間の中で生じた学問と社会の変化、それに対応するための議論の積み重ねに起因するものであると見なすことが出来、民俗学をめぐる時代状況を反映するものであると位置づけることができる。そして現在においても、その方法を問うことは不断の課題として存在し続けており、多種多様な議論と主張が繰り広げられているのである。
 以上のような認識から、本発表では、「民俗学の方法」を巡る議論の歴史と現状を概観しつつ、どのような点に、その独自性が存在するのかということを明らかにしていきたい。特に今回は、その学的な性格を特徴づけるものとして用いられてきた「伝承概念」と、柳田國男による「中間集団論」に注目しながら議論を進めていくことになるが、これらは、現代においてこそ再検討に値するポテンシャルを秘めたものであると発表者は考える。今回の発表と議論を通して、その可能性と有効性をより確かなものにしていきたい。
主催:現代人類学研究会
問い合わせ先:
現代人類学研究会事務局
東京都目黒区駒場3-8-1 東京大学駒場キャンパス14号館 文化人類学研究室
TEL: 03-5454-6244 / FAX: 03-5454-4351
E-mail: c.anthro.workshop.info★gmail.com(★は@に変えて下さい)
URL: https://sites.google.com/a/anthro.c.u-tokyo.ac.jp/contemporary_anthropology_workshop/
その他の情報:
参加費・事前申し込み等不要です。終了後、会場にて名刺交換・懇親会も予定しております。

弔い、そして死者との共闘:川村邦光と『弔いの文化史』を読む

開催日時:2016年3月5日(土) 13:30〜17:00(開場13:00)
開催会場:大阪大学豊中キャンパス 豊中総合学館402号室
(阪急宝塚線「石橋」駅下車、東へ徒歩約20分/大阪モノレール「柴原」駅下車、徒歩約7〜15分)
プログラム:
カリスマ、教祖、巫俗、精神病、迷信、オトメ、他界、洋食、オウム真理教、家族写真、戦死者、亡霊……。これまで川村邦光が論じてきたテーマは枚挙に暇がない。書きまくり、転戦を続けるなかで、彼が切り開こうとしてきた世界はどのようなものなのか。弔いをめぐる近年の仕事では、そうした多様な主題がもう一度(亡霊のように?)立ち現れ、新たな光を帯び始めている。このシンポジウムでは、近著『弔いの文化史』を手がかりに、川村日本学の来歴を問い、そのゆくえを展望する。
書評
黛友明(まゆずみ・ともあき/大阪大学大学院生)
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。専攻は民俗学。民俗芸能・門付け芸の調査研究、柳田国男論に取り組んでいる。主な論文に、「芸能・共同体・関係性:伊勢大神楽の事例を通じて」(『大阪大学日本学報』第33号)など。
畑中小百合(はたなか・さゆり/大阪大学非常勤講師)
大阪大学非常勤講師。専攻は民俗学。素人演劇や芸能、民間信仰などについてフィールドワークを行なっている。共著に『憑依の近代とポリティクス』(川村邦光編、青弓社)、論文に「戦時下の農村と演劇:素人演劇と移動演劇」(『演劇学論集』第47号)など。
田中雅一(たなか・まさかず/京都大学人文科学研究所)
京都大学人文科学研究所教授。専攻は文化人類学。南アジア研究、および近代における宗教、暴力、セクシュアリティの変容を幅広く考察する。著書に『供儀世界の変貌』(法藏館)、『癒しとイヤラシ』(筑摩書房)、編著に『越境するモノ フェティシズム研究2』(京都大学学術出版会)、『軍隊の文化人類学』(風響社)など。
応答
川村邦光(大阪大学)
大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学・民俗学。著書に『幻視する近代空間』(青弓社)、『巫女の民俗学』(青弓社)、『オトメの祈り』(紀伊国屋書店)、『オトメの身体』(紀伊国屋書店)、『地獄めぐり』(筑摩書房)、『〈民俗の知〉の系譜』(昭和堂)、『私にとってオウムとは何だったのか』(早川紀代秀と共著、ポプラ社)、『ヒミコの系譜と祭祀』(学生社)、『聖戦のイコノグラフィ』(青弓社)、『写真で読むニッポンの光景100』(青弓社)、『弔い論』(青弓社)、編著に『戦死者のゆくえ』(青弓社)、『憑依の近代とポリティクス』(青弓社)、『セクシュアリティの表象と身体』(臨川書店)など。
司会
永岡崇(日本学術振興会)
主催:大阪大学大学院日本学研究室・国際日本学研究会・イシバシ評論研究会
問い合わせ先:
E-mail: kunimitsuishibashi★gmail.com(★は@に変えて下さい)
当日の緊急連絡先:090-2152-6698(まゆずみ)
facebook:弔い、そして死者との共闘:川村邦光と『弔いの文化史』を読むイベント https://www.facebook.com/events/946685622119810/946718492116523/
その他の情報:
書評会・立食パーティーそれぞれについて、2月17日(水)までに実行委員会(kunimitsuishibashi★gmail.com(★は@に変えて下さい))までお申込みください。
17時30分より、大阪大学学生交流棟カフェ&レストラン「宙(sora)」にて立食パーティーを行ないます。会費として、社会人3000円/学生2000円をいただきます(書評会の参加は無料です)。

三田社会学会シンポジウム

「歴史と記憶とオーラル・ヒストリー」

開催日時:2016年3月19日(土) 13:30〜17:30
開催会場:慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール
(JR「田町」駅より徒歩10分)
プログラム:
司会:有末賢(慶應義塾大学法学部教授)
報告者:
蘭信三(上智大学教授)「ライフストーリーによる社会学的歴史研究の可能性」
大門正克(横浜国立大学教授)「オーラル・ヒストリーによる歴史学的歴史研究の可能性」
都倉武之(慶應義塾福澤研究センター准教授)「『戦争と慶應義塾』をめぐるオーラル・ヒストリー ―記憶とモノを如何に繋ぐか―」
コメンテーター:
柳沢遊(慶應義塾大学経済学部教授)
小林多寿子(一橋大学教授)
開催趣旨:
 歴史研究、特に近・現代史においては、オーラル・ヒストリーや聞き取り、インタビューの方法は、通常よく使用されてきている。生存者の戦争の記憶が薄れてくる戦後70年を超えた今日において、歴史社会学や社会史、経済史、移民史、学校史など多くの歴史研究にとって当事者の語り、家族や子供たちの記憶、また、モノの収集や遺跡、遺物の保存・収集などは、オーラル・ヒストリーとどのように関係していくのであろうか? また、研究者の「位置取り」や資料作成過程におけるインタビューアーの介在などをどのように考えたらよいのであろうか? 今回の報告者・コメンテーターらは、満州移民や経済史、中国残留孤児たちの生き方、農民運動史や生活史、学徒動員や大学と戦争の歴史、自分史とライフストーリーなどを研究してきたが、戦後日本社会における歴史と記憶とオーラル・ヒストリーについて総合的に考察していきたい。多くの皆様のご来場を期待します。
主催:三田社会学会
共催:慶應義塾福澤研究センター・日本オーラル・ヒストリー学会
問い合わせ先:
三田社会学会事務局 近森 高明
E-mail: tchikamori★gmail.com(★は@に変えて下さい)
その他の情報:
シンポジウムにつきましては、事前の申し込みは不要です。また、参加費は無料です。
懇親会(17:30〜19:30、南校舎4階カフェテリアB=予定)ご出席の場合、事前に三田社会学会事務局までご連絡ください。当日参加も受付けます。会費は5000円程度の予定です。

京都民俗学会第285回談話会

第3回修士論文報告会

開催日時:2016年3月20日(日) 14:20〜17:00
開催会場:京都市職員会館かもがわ 3階大多目的室
プログラム(報告50分・質疑応答20分):
14:20 開会
14:25〜15:35 星優也(佛教大学大学院文学研究科仏教文化専攻)
「『神祇講式』の言説と儀礼 ―神楽祭文における中世神道説の変貌をめぐって―」
15:45〜16:55 弘蔵勝久(佛教大学大学院文学研究科日本史学専攻)
「くじゅう連山の山岳信仰をめぐる歴史と民俗」
16:55〜17:00 講評・閉会
共催:京都民俗学会・日本民俗学会
問い合わせ先:
E-mail: mail★kyoto-minzoku.jp(★は@に変えて下さい)
URL: http://kyoto-minzoku.jp/
その他の情報:
会員は参加費無料、会員以外からは300円頂戴いたします。
終了後、報告者の学生さん達との懇親会を予定しております。懇親会の参加については当日お聞きします。