【会告】「第5回人類学関連学会協議会合同シンポジウム」のテーマ募集(2010年1月26日掲載)
来る10月2日、3日に開催される東北大学における日本民俗学会年会に先立って、10月1日に、日本民俗学会が当番学会である標記シンポジウムが開催されることになりました。ついては同シンポジウムのテーマを日本民俗学会会員より公募いたします。ふるってご応募ください。(締切:2010年3月31日)
人類学関連学会協議会とは
人類学関連学会協議会は、日本学術会議の改組にともなって、同会議が直接に学会と関わりを持たなくなった時点で、それまで研究連絡委員会が果たしてきた役割の一部を継承する目的で組織されたもので、日本学術会議の第1部・第2部の領域に関わる以下の学会によって構成されています。
加入学会:日本人類学会 日本生理人類学会 日本文化人類学会 日本民俗学会 日本霊長類学会
人類学関連学会協議会合同シンポジウムとは
上記シンポジウムは人類学関連学会協議会の事業のひとつで、同組織を構成する各学会が、毎年持ち回りで各学会の大会(年会)開催に合わせて開催するものです。シンポジウムのテーマの選定や運営は当該大会(年会)開催学会にゆだねられております。すでに以下のように4回開催されており、今回(第5回)は日本民俗学会が当番学会です。当番学会が選定したシンポジウムのテーマを各加入学会に通知して、パネリストの選出を依頼することになります。
- これまでの開催実績
- 第1回「人類史から人類の将来を展望する」(2006年11月4日、高知工科大学、日本人類学会)
- 第2回「人間=ヒトの謎をめぐって」(2007年7月16日、滋賀県立大学、日本霊長類学会)
- 第3回「ヒトの適応を巡って」(2008年6月7日、大阪市立大学、日本生理人類学会)
- 第4回「飽くなき食への希求をめぐって」(2009年5月29日、国立民族学博物館、日本文化人類学会)
第5回人類学関連学会協議会合同シンポジウム要綱
- 開催日時:2010年10月1日(金) 13:30〜17:00
- 開催場所:東北歴史博物館(宮城県多賀城市)=予定
- テーマ:公募
- パネリスト:各加入学会からの推薦者
第5回人類学関連学会協議会合同シンポジウム・テーマ募集内容
どのようなテーマが適切か
テーマの設定には特に制限はありませんので、自由にご提案いただきたいと思いますが、過去4回のテーマと重複しないようにご配慮ください。そのうえで、本協議会は自然科学系学会を含む多様な学会によって構成されていますから、いずれの学会からも参加が可能なテーマが望まれます。
提案趣意書の提出
ご提案の趣旨・内容を400字×2枚以内にまとめて提出してください。(参考として、日本文化人類学会が当番学会の時の趣意書を本ページ下部に掲載します)
採択テーマ提案者のシンポジウムへの参加
提案者にはシンポジウムのモデレーターとして参加していただきます。ついては年会参加者でかつ宿泊の必要な本学会会員に限り、10月1日の宿泊代を本学会が負担いたします(グループで提案の場合は2名まで)。
提出方法
学会事務局あて郵送またはEmailにてご提出ください。宛先はこちらをご覧ください。
提出の締切
2010年3月31日(水)
採択方法
理事会にて選考・決定して、応募された会員全員に通知します。
参考(昨年度の事例)「日本文化人類学会の趣意書」
- 人類学関連学会協議会合同シンポジウム「飽くなき食への希求をめぐって」(日本文化人類学会第43回研究大会)
- 2009年5月29日(金) 於・国立民族学博物館
- 開催趣旨:
- 食物の獲得は、生物の生存と繁殖に大きな影響を及ぼす基本的な要素であり、その生物の社会のありかたをもっとも基層的な部分で規定している。これは自然社会に生きるヒトにもあてはまる話である。また、近年の食をめぐる議論をみていると、たとえば食糧のバイオ燃料への転化が飢餓を増長していると問題視されたり、食の安全保障が崩壊していると警告されたりしているように、「食」はグローバルなレベルで、人類社会のあり方を規定しつつあるように思える。その一方で、たとえば義務化されたメタボリック検診が話題になったり、ダイエットが人びとの関心を惹いたり、反対に大食い大会や食べ歩き番組が根強い人気を集めたりしているように、「食」は欲求と自制のあいだで、人格といった個人的な領域をも評価の対象にしつつあるように思えるのである。こうした現代的な現象の根底にも、霊長類のなかでも例外的なヒトに固有の食慣習が関係している可能性が高い。一説には、食慣習のありかたの変化そのものが、人類を進化させたとの意見もあるほどである。このシンポジウムでは、人類学関連学会協議会に参加している各学会からパネリストを募り、人類の飽くなき食への希求をめぐって、それぞれの学問領域からアプローチする。基層的な個体の次元からグローバルな社会の次元まで、多様な考えを述べあい、学際的な接続を試みたい。
- 司会:曽我亨(弘前大学:日本文化人類学会)