各種研究集会のお知らせ(2012年第4四半期・開催日順)

このページは、会員の皆さんから寄せられた、研究会、学会または研究・教育機関等が開催する研究集会のご案内です。デザイン上若干変更させていただく場合もございますが、原則として寄せられた情報をそのまま掲載しています。内容についてのお問い合わせは、それぞれの問い合わせ先に直接お願いいたします。またこのページに情報を掲載したいかたは、こちらをご覧下さい

神奈川大学国際常民文化研究機構 第8回公開研究会

日時:2012年11月2日(金) 15:00〜17:00
会場:神奈川大学横浜キャンパス 1号館308会議室
〒221-8686 横浜市神奈川区六角橋3-27-1
TEL: 045-481-5661(代表) / FAX: 045-481-3155
東急東横線「白楽」駅下車徒歩13分
発表者とタイトル:
講師:北海道大学教授 桑山敬己氏(文化人類学)
 「Suye MuraとVillage Japan −英語圏人類学における2つの古典的日本村落研究の比較から学ぶもの−」
【要旨】エンブリーの須恵村(熊本県)とビアズレーの新池(岡山県)研究。戦後の英語圏人類学におけるふたつの日本村落研究の対象には大きな違いがあった。行政村と自然集落の違いに着目して、いくつかの観点から比較を試みる。
事前申込み不要・参加無料(受付14:30〜)
主催:神奈川大学国際常民文化研究機構
問い合わせ先:国際常民文化研究機構・神奈川大学日本常民文化研究所
本機構ウェブサイトにてさらに詳しい要旨をご覧いただけます。ぜひご確認ください。

第197回木曜会

日時:2012年11月13日(火) 18:15〜
場所:慶應義塾大学(三田キャンパス)西校舎525B教室
発表者とタイトル:
塚原伸治(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学東洋文化研究所)
 「伝統的商慣行と『老舗』の近代―千葉県香取市佐原の商家を事例に―」
問い合わせ先:
慶應義塾大学文学部・鈴木正崇
TEL: 03-5427-1138 / FAX: 03-5427-1578
http://keioanthropology.fc2web.com/

第29回東北地方民俗学合同研究会

日時:2012年11月23日(金・祝) 13:00〜17:00
会場:いわて県民情報交流センター(アイーナ)8階812研修室
シンポジウム「震災から20ヶ月―民俗学は今何ができるのか」
プログラム:
「被災文化財から導きだすナラティヴの集積 ―文化財レスキュー展の試みから―」:加藤幸治(東北民俗の会)
「東日本大震災と地域コミュニティ ―福島県浜通り地方―」:遠藤祝穂(福島県民俗学会)
「震災後の民俗調査 ―山田町大浦からの報告―」:松本博明(岩手民俗の会)
「一軒の民家から ―民俗学から地域史への提言―」:小池淳一(青森県民俗の会)
「覚醒する文化遺産防災の使命 ―山形県域での試行錯誤と課題―」:田中大輔(山形県民俗研究協議会)
「秋田県の一地方で考えてきたこと ―“地震と民俗”の探求等について―」:小田島清朗(秋田県民俗学会)
全体討論
主催:岩手民俗の会
問い合わせ先:岩手民俗の会
〒020-0173 岩手郡滝沢村滝沢字砂込808 盛岡大学大石泰夫研究室内
TEL: 019-688-5555(代) FAX: 019-688-5577
E-mail: y-oishi [at] mb3.seikyou.ne.jp([at]は@に変えて下さい)

公共民俗学研究会第9回ワークショップ

「private sector/public sector 民俗学の経験との対話 ―これからの『公共民俗学』のために―」

日時:2012年12月1日(土) 13:00〜18:00
場所:京都リサーチパーク 西地区4号館ルーム2
(京都市下京区中堂寺南町134/JR嵯峨野線「丹波口」駅より西へ徒歩5分)
開催の趣旨:
 およそこの50年間、民俗学が大勢において大学の学問になってきたなかで、芸能・祭礼研究は、大学に属さない多くの民間の研究者、あるいは公共部門の研究者が主導的な役割を果たしてきた領域である。その背景には、比較的早くに芸能や祭礼が「文化財」として行政に組み込まれ、また同時に観光、地域振興、教育などの資源として社会的な意義を見いだされてきたことがあると考えられる。いわば社会的な需要の多い研究領域であり、それに応じて研究者としての多様な関わり方があり、かつその多様な関わり方が、行政機関や公益財団の職員、博物館・資料館の学芸員、各種の研究機関の研究員、さらには調査や記録作成事業に携わる監修者や調査員などといったかたちで制度化され、保証されてきた。このように組織化された体制によって、全国的に個別事例の報告が蓄積され、それを資料とする実証的な研究がなされてきたことは、芸能・祭礼の民俗学的研究の特徴であり、ひとつの達成である。
 しかし一方で、芸能・祭礼研究と社会との接点は文化財という制度のみであるかのような風潮も生じ、生活実践から遊離して「文化財学」化したという批判を受けるのも、故無しとはしない。関わり方は多様でありながら、その多くが文化財を中心とする国家の施策のもとに編成されてきた、あるいはそれこそが研究者に求められる役割であると考えられてきたとも言えるであろう。
 これからの公共民俗学では、こうした「公」的なあり方をふまえつつ、すべての人に開かれ、誰もがそれを利用し、実践し、批判することができる「共」的な学問のあり方と接合していくことが求められている。その実現を目指して今回のワークショップでは、民間の研究者として、また公共機関の研究者として豊富な経験と実績をもつ2名、そして今まさに制度と地域社会との接点で活動する1名に、それぞれの立場で行ってきた研究の意義や成果、そしてその限界について発表していただく。この経験を共有し、対話することを通して、これから公共民俗学の可能性を考えてみたい。
発表者とタイトル:
山路興造(元京都市歴史資料館長)「私と私的民俗学」
 私は民俗学の研究者ではないと思う。民俗芸能学会代表理事と芸能史研究会代表委員を、すでに15年近く勤めているので、民俗芸能と日本芸能史につてはそれなりの研究を積み重ねてきた思いはある。また東京教育大学の史学方法論の教室に潜り込んで、民俗学の研究方法を模索したし、私自身の調査フィールドを大切にし、石見在住の民俗研究者牛尾三千夫を師と仰いで、その方法論を体得もした。
 しかし、私の興味は、各時代の民衆が喜怒哀楽を託し、生活の糧とした「芸能」の歴史にあった。その意味では私の興味は歴史という縦軸にあり、現在という視点で広がりを考える横軸に対する興味は薄い。そのことに気がついた頃、京都の西田文化史学の存在を知り、民俗芸能研究の師であった本田安次の元を離れて京都に移住した。といっても、学問体系の一部に組み込まれた歴史学に潜り込んだわけではない。また芸能史といっても、私の興味は、現在に伝承された古典芸能ではなく、民衆が熱狂してやがて捨て去った芸能の姿を、歴史学・民俗学・絵画史・日本文学など、既成の学問体系に捉われることなく考えることであり、それ故に民間研究者として今日に至っている。
植木行宣(元京都府教育委員会文化財保護課)「民俗文化財の研究と保護をめぐって」
 私は20年余にわたり京都府で無形と民俗文化財の保護行政にたずさわってきた。着任した1967年当時は、両部門ともにいまだほとんど認知されておらず、どこに何があるかといった基礎的データーさえ皆無の状態であった。当然ながら保護のためのマニュアルなどは存在せず、文化庁に問いをなげても実際的な指導助言は期待できなかった。
 担当者として呼ばれたのは、私が日本の芸能文化史を研究していたからである。つまりは即戦力と期待されたわけであり、まずは祭や民俗芸能についての基礎的調査をすすめつつ、民俗の保護はどうあるべきかを模索することになった。しかし、その教材である歴史や民俗研究から具体的に役立つ成果は得られなかった。天下の祇園祭についてさえ、山鉾についての具体的な歴史的研究はなく、民俗学研究は折口の依代説による意味論に終始しほとんど思考停止状態にあり、自ら臨床的研究を行なわねばならなかった。
 国の文化財保護施策は指定して保護をはかるのが基本である。しかし、民俗の評価は資料的価値が基本であり、資料としての絶対的価値は等価である。記録を作成してその保存をはかる措置は民俗の本質に基づくものであるが、保存の名に値する記録作成についての議論はいまもさして進んでおらず、映像による記録などは手探りの域をでない。
 文化財保護に関わる研究成果は行政の現場における臨床的研究に負うところが多大である。ところがそうした取り組みについては、民俗学研究者は概して冷淡でその成果も民俗学研究に反映されているとはいえない。
 地域社会にとって祭りや芸能はそれぞれにかけがえのない伝承である。それを資料的価値が低いからといって切り捨ててはならない。京都府が最期まで、国が提示したモデルによる条例を制定せず、「未指定文化財」保護への財政措置や指導助言を行ない、条例制定に当たっては現状から議論を積み上げ、ランキングではなく登録制度による面的保護を重視したのはその故である。
 今回は、そのあたりをふり返りつつ、いま民俗文化財が直面している諸問題について考えてみたい。
蘇理剛志(和歌山県教育庁生涯学習局文化遺産課)「民俗学知の活用と民俗芸能 ―紀州東照宮祭礼・和歌祭の御船歌を事例に―」
 和歌山県には、民俗学を研究・専攻できる大学や研究機関がなく、そのため県下の民俗学研究は、長年にわたり外部の研究者や郷土史家らの個別研究によって進められてきた。柳田的にいえば、和歌山県下の民俗研究は「旅人の学」と「同郷人の学」による成果といえる。
 パブリック・セクターの民俗学研究者は、いわば「寄留者の学」といわれる立場の一つの存在形態に位置づけられる。しかし、そこで従事する仕事は多岐にわたり、文化財保護行政や博物館業務で自らに課された本来業務としての学問的な専門性以外に、それとはまた別の次元において自らがもつ「民俗学知」というべき経験や知識が求められたり、それを活かす機会を与えられたりすることが多い。
 兵庫県神戸市生まれの私は、縁あって和歌山県で文化財保護行政の担当者として奉職したが、2010年には、紀州東照宮の祭礼である和歌祭で歌われた「御船歌」を30年ぶりに復活させ、民俗芸能の実演者として祭りに参画することになった。
 御船歌復活の企ての過程では、こうした自らの仕事と研究および趣味の領域にわたる知的好奇心を元に、有機的な出会いの場が生まれ、相互の交流や企画提案、また自らの表現・実践など、「民俗学知」を意識的に活用した結果として、人々に直接的に喜ばれる社会的実践へと繋がっていった。
 発表では、これまでの公的また私的な自分の経験を通して、芸能・祭礼の研究者と地域社会や実演者との間にある一線のあり方や、フィールドの捉え方、その関係性について、今後の一つの有り様を示すことが出来ればと思う。
コーディネーター:
俵木悟(成城大学文芸学部准教授)・菅豊 (東京大学東洋文化研究所教授)
主催/共催:
公共民俗学研究会/現代民俗学会/京都民俗学会/科研基盤研究(B)「市民社会に対応する『公共民俗学』創成のための基礎研究」
問い合わせ先:
室井康成(東京大学東洋文化研究所特任研究員)
muroi (at) ioc.u-tokyo.ac.jp((at)は@に変えて下さい)

第4回国際常民文化研究機構国際シンポジウム

「二つのミンゾク学 ―多文化共生のための人類文化研究―」

日程:2012年12月8日(土)〜9日(日)
場所:神奈川大学横浜キャンパス(東急東横線「白楽」駅下車、徒歩13分)
I部 国際シンポジウム「民族の交錯 ―多文化社会に生きる―」
12月8日(土) 10:30〜17:30
1日目の基調講演には、米国スタンフォード大学名誉教授ハルミ・ベフ氏をお迎えし、多文化社会としての日本をその歴史的な背景に遡ってお話いただき、続いて移民や在日の人々、アイヌの言語などを例に現代の多文化社会の諸相について考察します。
II部 公開研究会「ミンゾク研究の光と影 ―近代日本の異文化体験と学知―」
12月9日(日) 10:00〜17:30
2日目は本機構共同研究「第二次大戦中および占領期の民族学・文化人類学」グループのこれまでの研究成果の発表の場として、主に戦中・戦後の民俗学・人類学について議論します。
問い合わせ先:国際常民文化研究機構事務局
〒221-8686 神奈川県横浜市神奈川区六角橋 3-27-1
TEL: 045-481-5661(内線6111〜6113) / FAX: 045-481-3155
Email: office-folk@kanagawa-u.ac.jp / URL http://icfcs.kanagawa-u.ac.jp
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宮崎公立大学 古事記編纂1300年記念研究会

日時:2012年12月8日(土) 14:00〜16:00
場所:宮崎県立西都原考古博物館(宮崎県西都市三宅5670)
テーマ:「王墓の原と王家の谷 ―『古事記』中・下巻を読み解く―」
北郷泰道(宮崎県埋蔵文化財センター所長)=司会
原秀三郎(静岡大学名誉教授)
村治笙子(元古代オリエント博物館共同研究員)
永松 敦(宮崎公立大学教授)
主催:宮崎公立大学 古事記編纂1300年記念研究会
問い合わせ先:
kojiki1300miyazaki [at] yahoo.co.jp ([at]は@に変えて下さい)
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