各種研究集会のお知らせ(2014年第1四半期・開催日順)
このページは、会員の皆さんから寄せられた、研究会、学会または研究・教育機関等が開催する研究集会のご案内です。デザイン上若干変更させていただく場合もございますが、原則として寄せられた情報をそのまま掲載しています。内容についてのお問い合わせは、それぞれの問い合わせ先に直接お願いいたします。またこのページに情報を掲載したいかたは、こちらをご覧下さい。
京都民俗学会第265回談話会(第5回卒業論文発表会)
- 日時:2014年2月22日(土) 09:30〜17:35
- 会場:立命館大学衣笠キャンパス 清心館 525号教室
- プログラム:
- 09:30 開会
- 09:35-10:10 門脇実花子(佛教大学)「神社祭礼の市民祭化に関する研究−滋賀県大津祭を事例として」
- 10:10-10:45 堀亜紗子(立命館大学)「観光政策に対応する商店の現状〜京都・東山花灯路を例に〜」
- 10:45-11:20 志村正太郎(天理大学)「京都府木津町における民間巫女のライフヒストリー」
- 11:20-11:55 菰方育美(関西学院大学)「大川家具の民俗誌」
- 13:00-13:35 久後慧依(天理大学)「生駒のモリガミ信仰」
- 13:35-14:10 岩間美保(佛教大学)「巫女神楽の現在−浪速神楽を事例として」
- 14:10-14:45 岩◆彩乃(奈良女子大学)「中山間地域の活性化―京都丹波・天引地区にみる課題と展望」
- 14:45-15:20 小野絢子(天理大学)「水間八幡神社の祭祀組織―変遷と現状―」
- 15:35-16:10 柴崎友江(ものつくり大学)「大道具の知識を得る方法についての研究」
- 16:10-16:45 豊福啓人(関西学院大学)「土に込める―淡路瓦をめぐる生業と生活―」
- 16:45-17:20 塚田なつみ(立命館大学)「京都市における建碑事業とその社会背景 ―京都市教育会の史蹟表彰事業を中心に―」
- 17:20-17:35 講評・閉会
- 主催:京都民俗学会
- 問い合わせ先:
- E-mail: mail★kyoto-minzoku.jp(★は@に変えて下さい)
- 備考:
- 会員は入場無料。一般の方は申し訳ありませんが300円頂戴いたします。懇親会の参加申し込みは当日受付にて(会費:4000円)。
史料と伝承の会
- 日時:2014年2月22日(土) 13:00〜18:00
- 会場:明治大学リバティタワー8階 1086教室
- (JR御茶ノ水駅、地下鉄神保町駅・新御茶ノ水駅)
- 発表者とタイトル:
- 研究ノート
- 甲斐裕貴「宮崎県椎葉神楽の御神屋の空間 ―天蓋と切飾り―」
- 九州地方には多くの神楽が伝承されているが、宮崎県の椎葉神楽は、その儀礼や芸態の多様性から、非常に注目されている。今回の発表では、神楽を奉納する舞台「御神屋(みこうや)」の装飾、特に天蓋や切飾りに注目し、他地域の神楽とも比較して、それぞれの持つ意味を考えていきたい。
- 問題提起
- 水谷類「依り代論の過去・現在・未来」
- 日本民俗学のひとつの成果であり、もっとも普及している信仰概念のひとつに「依り代」がある。折口信夫が「髭籠の話」で提起した依り代の概念は、ほぼ同時期に柳田国男が述作し後に『神樹篇』に収録された一連の論文と相まって学会に浸透し、さらに日本の信仰概念の常識となっている。しかし、折口・柳田の「依り代」に関する考え方は、当初から微妙な違いがあり、さらには彼らの思惑を逸脱して、現在、独り歩きしているように思われる。明確な定義を伴わないまま濫用される「依り代」概念を、もう一度根底から見直してみたい。
- 質疑(ミニシンポジウム)
- パネラー募集。当日、コメントをしていただける方がおられましたら、予めご連絡ください。
- 主催/共催:史料と伝承の会、明治大学文学部水谷類思想史サブゼミ
- 問い合わせ先:
- 小山貴子(k-takako★hkg.odn.ne.jp)・水谷 類(tagui★f6.dion.ne.jp)(★は@に変えて下さい)
- その他の情報:参加自由・無料
現代民俗学会第22回研究会「社会的排除に民俗学はいかに向き合えるのか――排除の日常・文化を記述する術を探って」
- 日時:2014年3月29日(土) 13:00〜
- 会場:成城大学3号館2階 321教室
- プログラム:
- 発表者
- 今野大輔(成城大学民俗学研究所)
- 飯倉義之(國學院大學)
- コメンテーター
- 政岡伸洋(東北学院大学)
- 柏木亨介(蔚山大学校)
- コーディネーター
- 今野大輔(成城大学民俗学研究所)
- 及川祥平(成城大学民俗学研究所)
- 開催趣旨:
- 民俗学は経世済民の学であり、現代的問題の解決を目指す学問である。そのような自己規定のもと、社会への成果の還元、あるいは研究課題の現代性ということを、民俗学者は常に意識してきた。しかし、にも関わらず、現代日本に累積する社会的課題を見渡すかぎり、民俗学には同時代の問題状況に対して発言し得るだけの蓄積がない場合があまりにも多い。「社会的排除」もそのような問題の一つである。国際社会においては、あらゆる人権の侵害状況の克服が課題視されている。現代日本社会においても無数の排除的状況が多様性・複雑性を増しながら生産され続け、問題化していることは周知の通りである。
- もっとも、人々の生活に寄り添ってきた民俗学が、この種の問題に無関心であったわけではない。過去からの拘束性や文化的問題に起因して現在に顕在化する排除や差別に対し、民俗学のデータ蓄積は、その問題性や無根拠性を実証的に明らかにし得る点できわめて重要な意義をもつ。一方で、当該領域に対する民俗学のスタンスの消極性が問題視されていることも事実である。『日本民俗学』252号において企画された特集「差別と民俗」は、学会としては初の差別・排除の主題化であり、この方面の議論の活発化が期待された。しかしながら、この特集号以降、6年もの月日が経過しようとしているが、民俗学における当該領域の研究が目覚ましく前進したとは言い難い。民俗学が社会的排除と向き合う上では、これまでの成果をふまえた上で今後の議論の方向性をさぐる場をもうける必要があるのではないだろうか。
- 有り得る方向性の一つとして、本研究会では、排除を導く様々な差別的偏見(事実誤認に基づく/を導くフォークロア)に照準する可能性を検討する。それがどれほど無根拠であっても、人々をカテゴリー化し、ステレオタイプにあてはめ、そこに特殊性を幻視するような言説が、コミュニケーションの中でリアリティを獲得し、人々の意識を拘束してしまうことがある。この排除的な日常生活の局面を民俗学的に見据える作業、すなわち、「人はどのように、どのような排除・差別を行なってしまうのか」ということを記述的に明らかにする道筋は、幻想が生きながらえてしまう現象ないし状況を相対化することに寄与し得るのではないだろうか。
- 以上の趣旨に基づく本研究会では、登壇者として民俗学的見地から特にハンセン病差別の文化的要因を主題として議論を展開してきた今野大輔氏を招き、民俗学における差別研究の状況を批判的に整理していただき、自身の研究構想とともに差別研究に残されている課題を鮮明化していただく。また、民俗学の中でも〈口承〉研究ないし「世間話(日常の語り)研究」から飯倉義之氏を迎え、特に日常的コミュニケーションの中に顕在化する差別的眼差しや排除の論理を民俗学が記述することの可能性を検討していただく。
- 以上により、社会的排除という今日的で大きな課題に、民俗学はどのように向き合っていくことができるのかを探りたい。
- 主催:
- 現代民俗学会
- 問い合わせ先:
- E-mail: mail★gendaiminzoku.com(★は@に変えて下さい)
- 現代民俗学会URL: http://gendaiminzoku.com/
- その他の情報:どなたでもご参加いただけます。また事前連絡、参加費等も不要です。