談話会開催記録-2012年 第861回〜第866回

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第861回 2012年3月11日

2011年度 民俗学関係卒業論文発表会

場所:成城大学3号館311・321・322教室
プログラム
A会場(311教室)
13:30-13:55 「マキの役割と機能−新潟県十日町市程島の事例研究−」村山翠(武蔵大学)
14:00-14:25 「屋号に日本文化を見る−町田市小野路町に残る屋号について−」大澤香織(東京家政学院大学)
14:30-14:55 「家業を継承するということ−静岡・由比のある料理屋の家族誌から−」伍賀正晃(筑波大学)
15:00-15:25 「団地観の変遷と団地生活の実態−福岡県北九州市徳力団地を事例として−」廣渡絵理(熊本大学)
15:35-16:00 「高度経済成長と仕事の変化−神奈川県足柄上郡山北町向原の一軒の農家を例として−」湯川洋史(國學院大學)
16:05-16:30 「『困窮島』という神話−愛媛県二神島/由利島の事例から−」那須くらら(関西学院大学)
16:35-17:00 「山谷の未来の姿」 室岡夢子(首都大学東京)
17:05-17:30 「語りからみる花火師の技」高畑祐太(新潟大学)
B会場(321教室)
13:30-13:55 「平成の子ども文化と狐像」白石涼音(國學院大學)
14:00-14:25 「地域社会における子ども行事の変遷と現状−喜多方市高郷町字夏井地区の事例を通して−」佐藤結(成城大学)
14:30-14:55 「女性の稼ぎと財布−秋田県鹿角市の農村女性の生活史から−」田中夏実(弘前大学)
15:00-15:25 「衣類の調製と嫁の里帰り−新潟市西蒲区潟頭を事例として−」米山沙織(新潟大学)
15:35-16:00 「道標をめぐる歴史・民俗的考察−東京都・神奈川県の例を通して」張艶(東京家政学院大学)
16:05-16:30 「仙台市柳町における『大日堂の再建』が意味するもの」山口正寛(東北大学)
16:35-17:00 「小栗上野介忠順顕彰の研究−普門院と東善寺のモニュメントを中心に−」長谷地明仁(ものつくり大学)
17:05-17:30 「沖縄県都市部における『民間霊園』の受容と墓前祭の変化−那覇市を事例に−」早坂優子(東北学院大学)
C会場(322教室)
13:30-13:55 「地域社会における伝統行事の変化と存続−富山県入善町青島地区の若宮社秋季祭礼を事例として−」舟川友理(首都大学東京)
14:00-14:25 「山伏神楽における演目の成立と展開−権現舞から山神舞へ−」千葉暁子(盛岡大学)
14:30-14:55 「祭礼の存続と伝承の仕組み−石川県輪島市の輪島大祭を例に−」萱岡雅光(富山大学)
15:00-15:25 「高円寺阿波おどりの時代による変化−江戸浮連を中心として−」井上雄介(ものつくり大学)
15:35-16:00 「学校の怪談についての一考察−『ウマが走る』話の伝承から−」見上恵(筑波大学)
16:05-16:30 「『折り鶴』と日本人−象ることをめぐって−」益子裕也(成城大学)
16:35-17:00 「宮古島民謡『なりやまあやぐ』の変化と受容」友利綾香(東洋大学)

第862回 2012年5月8日

2011年度民俗学関係修士論文発表会

場所:成城大学3号館321教室
プログラム:
A会場(321教室)
13:30-14:10  「近代における行政部落の成立と民俗の変化−宮城県大崎平野の契約講を事例に−」岡山卓矢(東北学院大学大学院文学研究科)
14:15-14:55 「現代社会と養蜂−ミツバチを介した都市社会の再構築−」玄蕃充子(成城大学大学院)
15:00-15:40  「タコ穴漁からみた地域社会の資源利用についての考察−山形県酒田市飛島字法木と沖縄県うるま市比嘉におけるタコ穴漁の事例から−」新垣夢乃(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科)
15:50-16:30  「トラピスチヌ修道院における食の選択 −ベネディクトの戒律との関わりから−」柴田香奈子(筑波大学大学院人文社会科学研究科)
16:35-17:15 「北海道における葬送習俗の変容 −帯広市域の事例より−」高橋史弥(國學院大學大学院文学研究科)
B会場(322教室)
13:30-14:10  「都市祭礼研究における再伝統化及びポリティックス−八王子まつりを事例に−」コロトヴァ・エレーナ(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
14:15-14:55 「日本における外来祝祭イベントの変容と展開−アイルランドの聖パトリックスディの受容を事例に−」蛇沼卓矢(慶應義塾大学大学院社会学研究科)
15:00-15:40  「演じられる「伊勢大神楽」−伊勢大神楽講社の活動から−」黛友明(大阪大学大学院文学研究科)
15:50-16:30 「保存会から見る芸能伝承の現在−催馬楽神楽と玉敷神社神楽の事例から−」田村明子(成城大学大学院文学研究科)
16:35-17:15 「岩手県におけるベットウ−内陸南部と北部の比較から−」佐藤拓朗(弘前大学大学院人文社会科学研究科)

第863回 2012年7月8日

国際交流関係シンポジウム「海外研究者がみた日本というフィールド〜アメリカ研究者編〜」

場所:成城大学3号館321教室
プログラム:
コーディネーター:
菅 豊(東京大学)「アメリカ民俗学の日本研究のアウトライン」
パネリスト:
Michael Dylan Foster(インディアナ大学)「『甑島のトシドン』における見る/見られる/見せる関係の一考察」
谷口陽子(専修大学)「米国人研究者による戦後日本研究にみる日本というフィールド」
コメンテーター:
桑山 敬己(北海道大学)
開催趣旨:
 日本民俗学は、日本研究に重心を置いた「日本」民俗学としての色彩を強く帯びてきた。その研究対象や方法は日本という場に強く規定されており、また日本というフィールドも、その学問のなかでは所与のものとして扱われてきたのである。一方、日本というフィールドは、日本人研究者だけによって独占されてきたのではない。実は日本の民俗学研究者の知らないところで、多くの海外研究者たちによって考究されてきたのである。しかし、それらの研究内容や方法、知見というものは、日本民俗学のなかではほとんど顧みられることはなかった。本シンポジウムでは、アメリカ民俗学者や文化人類学者の日本研究の具体例を検討し、その研究の方向性と日本民俗学における研究の方向性との異同を明らかにし、今後の海外における日本研究との相互交錯の可能性について展望する。
共催:現代民俗学会、東京大学東洋文化研究所班研究「東アジアにおける「民俗学」の方法的課題」研究会
後援:Anthropology of Japan in Japan(AJJ)
その他:パネル発表、討論等は日本語で行われます。

第864回 2012年9月9日

映像民俗学の新展開

会場:成城大学3号館3階321教室
開催趣旨:
 先に会誌「日本民俗学」では、映像民俗学に関する小特集を掲載した。昨年度に、その後の展開を談話会のテーマとして、いったんは企画したが、その後の大震災によって白紙化した。
 この度の談話会では、その企画を踏まえ、映像民俗学の新たな展開について、国立歴史民俗博物館の映像研究者と、現場で活躍する映像作家を報告者に迎え、映像鑑賞を含めての議論を行いたい。
発表者とタイトル:
内田順子(国立歴史民俗博物館)「民俗誌映画のアーカイブ化―マテリアルとしての映画情報の取得と保存活用」
 昭和初期に撮影された民俗誌映画(ひとつはニール・ゴードン・マンローによるアイヌ文化についての民俗誌映画、もうひとつは、宮本馨太郎による民俗誌映画)を対象に、映画についての資料批判的な研究の必要性をめぐって報告する。
遠藤協(映像作家)「えんずのわりの子どもたち―東松島市宮戸島における震災と民俗行事の再建」
 宮戸島月浜地区に伝承されてきた「えんずのわり」は小正月の鳥追い行事で国の重要無形民俗文化財に指定されているが、東日本大震災の津波被害を受けた。この民俗行事について、震災前と震災後に再建された映像を比較しながら報告する。
司会・コーディネーター:岩鼻通明(山形大学)

第865回 2012年11月11日

民俗研究は文字文化をどう扱うか

会場:成城大学3号館3階321教室
開催趣旨:
 日本民俗学は文字に記録されにくい生活文化を対象とし、伝承的なさまざまな事象の記録化とその分析とに意を注いできた。一方で歴史学をはじめとする多くの人文社会科学が、文字記録を重視し、根本の資料としてきた。こうした資料的な基盤の差異は日本社会の史的な側面を追究しようとする場合に留意しなければならない大きな課題でもある。
 近年、伝承資料の蓄積、史料の徹底的な発掘、研究上の課題の設定などから民俗研究においても文字文化にアプローチする姿勢を持つ研究が増えつつある。ここでは、そうした志向を持つ研究者に具体的な史料を提示してもらい、どういった分析の視点や手法が見いだせるのかについて報告してもらう。さらに討論の場を設けることによって文字文化への民俗学的なアプローチの新しい可能性を考えてみたい。
発表者とタイトル:
武井基晃(筑波大学)「家譜を読む子孫たち―琉球王府士族の門中―」
宮内貴久(お茶の水女子大学)「職人巻物から考えた文字文化」
久野俊彦(東洋大学)「里山伏の聖教典籍からみるホウイン(法印)の文化活動と村びと」
司会・コーディネーター:小池淳一(国立歴史民俗博物館)・渡部圭一(早稲田大学)

第866回 2012年12月2日

いくつかの『先祖の話』−京都で読む柳田祖霊神学−

会場:佛教大学二条キャンパス(京都市)
開催趣旨:
 柳田國男の仕事が膨大かつ多岐にわたることは改めて指摘するまでもないが、その到達点を、『先祖の話』(1946)を頂点とする一連の固有信仰研究に見いだすことは、異論はあれ、相応に有力な見解だろう。じじつ、田の神/山の神/家の神の相互転換を説き、日本各地の多様な民間信仰に統一的な解釈枠組みを与えた柳田のパースペクティブは、今なお強力な作業仮説であり続け、であるがゆえに、「柳田祖霊神学」として批判に晒されることも免れなかった。こうした状況を再整理するために、「京都」という補助線を挿入してみたい。柳田祖霊神学は京都においてどのように受容されたのか。竹田聴洲、高取正男、平山敏治郎など、京大文化史学派を中心とした京都の研究者たちの業績を、彼らにより行われた資料調査や現地調査の検証を通じて再考する。それは思想的な学史研究を、より実証的な資料調査、現地調査とのキャッチボールにおいて捉え直す試みであり、これまで営まれてきた民俗学的実践の分厚い蓄積を、隣接分野に開放し、共有していく試みでもある。総じて言えば、「学史」を「現在」に開いていく可能性の探求。柳田國男没後50年に際し、『先祖の話』をきっかけとして、議論を行いたい。
発表者とタイトル:
菊地暁(京都大学)「主な登場人物2−京大文化史学派の『先祖の話』受容−」
大野啓(佛教大学)「祖先・氏神と同族結合−竹田聴洲の業績から−」
角南聡一郎(元興寺文化財研究所)「墓石研究と民俗学−柳田以前・以後−」
土居浩(ものつくり大学)「民間信仰論と宗教生活学との懸隔−高取正男を読み直す−」
コメンテーター:林淳(愛知学院大学)・大谷栄一(佛教大学)・渡部圭一(早稲田大学)
コーディネーター:菊地暁(京都大学)
共催:京都民俗学会

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