談話会記録-2022年 第918回〜第923回
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第918回談話会(2022年3月13日・オンライン開催)
2021年度民俗学関係卒業論文発表会
- 日時:2022年3月13日(日) 13:30〜16:00
- 会場:Zoomによるオンライン開催(3会場を設定)
- プログラム:
- 〔A会場〕
- 1. 13:30-13:55 林鮎奈(筑波大学)
- 「神社の授与品から見る信仰の現在 ―変容する宗教に対する神職・デザイナーの企画―」
- 2. 14:00-14:25 廣瀨由子(筑波大学)
- 「心意現象と灯火郷愁 ―関東大震災、灯火管制期の文学作品を中心に―」
- 3. 14:30-14:55 𠮷岡琴美(別府大学)
- 「語り継がれる昭和の記憶 ―豊後大野市 昭和の世相人形 絹さん人形を事例に―」
- 4. 15:05-15:30 倉田大智(國學院大學)
- 「つく舞の研究」
- 5. 15:35-16:00 安丸瑶(京都先端科学大学)
- 「物部におけるいざなぎ流の現状」
- 〔B会場〕
- 1. 13:30-13:55 末谷夏津樹(東北大学)
- 「終活を支える人:宮城県の終活カウンセラーを事例に」
- 2. 14:00-14:25 後野有紗(新潟大学)
- 「寺院が考える墓と死者供養のあり方」
- 3. 14:30-14:55 大里勇貴(沖縄国際大学)
- 「龕の祭祀の変容 ―うるま市勝連南風原の事例を基に―」
- 4. 15:05-15:30 柏井麻那(関西学院大学)
- 「『パンダおばさん』のフォークロア ―高知における誕生と展開―」
- 5. 15:35-16:00 杉山沙也香(東北大学)
- 「骨董市の売買における不確実性:仙台古民具骨董青空市を事例に」
- 〔C会場〕
- 1. 13:30-13:55 加藤穂乃佳(新潟大学)
- 「集落営農と村意識」
- 2. 14:00-14:25 柳澤大生(成城大学)
- 「人を活かし、地域を作る ―宮古島市島尻地区における翻訳的適応―」
- 3. 14:30-14:55 山木麻椰(関西学院大学)
- 「世間話の伝承と家族 ―北海道熊石・小林家の事例から―」
- 4. 15:05-15:30 山内潤紀(弘前大学)
- 「弘前におけるねぷた絵師の『登場』と技の『伝承』」
- 5. 15:35-16:00 正月谷眞子(成城大学)
- 「移り変わる応援団:求められる変革と風格」
第919回談話会(2022年5月8日・オンライン開催)
2021年度民俗学関係修士論文発表会
- 日時:2022年5月8日(日) 13:30〜17:15
- 会場:Zoomによるオンライン開催(1会場を設定)
- プログラム(発表30分+質疑10分):
- 1. 13:30-14:10 小林直輝(筑波大学大学院人文社会科学研究群)
- 「現代における武州御嶽信仰の変容 ―神社・職業的宗教者・崇敬者の動態に注目して―」
- 2. 14:15-14:55 大城沙織(筑波大学大学院人文社会科学研究群)
- 「現代沖縄における土帝君信仰 ―村落祭祀の記録と実践―」
- 発表レジュメはこちら
- 3. 15:00-15:40 近藤貞祐(國學院大學大学院文学研究科)
- 「小豆島・中山虫送りの復活にみる民俗伝承」
- 4. 15:50-16:30 道前美佐緒(関西学院大学大学院社会学研究科)
- 「婚礼の創造 ―商業主義的婚姻儀礼は『真正なる通過儀礼』になり得るか―」
- 発表レジュメはこちら
- 5. 16:35-17:15 佐々木涼成(成城大学文学研究科)
- 「関係論的視点からみる歴史と現在 ―ウカノミタマをめぐる知識の動態から―」
第920回談話会(2022年7月24日・対面およびZoomによるハイブリッド開催)
第74回年会プレシンポジウム
「半島のアート、民俗のはて ―奥能登国際芸術祭と民俗文化研究の節合の試み―」
- 日時:2022年7月24日(日) 13:00〜16:30
- 開催方法:対面形式およびZoom形式の併用開催(ハイブリッド方式)
- 対面形式の会場:国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市城内町117)講堂(先着70名)
- Zoom形式の会議室情報:参加申込者に後日メールにて連絡
- ★「対面形式」「Zoom形式」いずれの場合も、同一の申込フォームから参加申込を行なってください(申込締切=7月17日(日) 23:59)
- 開催趣旨:
- 各地の民俗文化が様々な形で終焉を迎えつつある。人が消え、家が消え、ムラが消えていく。コミュニティーが消滅すれば、そこで培われていた多くの民俗文化も終わりを迎える。本シンポジウムでは、終わりゆく地域社会の遺産としての生活用具や民具というモノたちを見つめなおし、新たな息吹を注ぎこむ試みとして、芸術祭という場を捉えなおす。以下では、2021年に開催された「奥能登国際芸術祭2020+」における「大蔵ざらえプロジェクト」を民俗文化とアートの新たな節合事例として紹介していく。現場への研究者の参与のあり方を問いなおし、アーティストと研究者との対話と協働の可能性を模索したいと考える。
奥能登国際芸術祭は、2017年より、石川県の能登半島の突端に位置する珠洲市を舞台として3年に一度の開催を目指して計画された催しである。半島という地理的特性から、海とのつながり、海を介した他所とのつながりの深い地である。近年では、地域の生業形態や食文化が「能登の里山里海」(2011年)として世界農業遺産に認定された。また、能登半島に特徴的なキリコを中心とした祭礼が、「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」(2015)として日本遺産にも認定された。
このような地域文化の再編成の只中で始まった芸術祭は、「アーティストの力を借りて珠洲に眠るポテンシャルを掘り起こし、地域の活性化、地域の魅力を高め、日本の最涯から最先端の文化を創造する試み」と位置づけられる。2回目となる2020年の芸術祭はコロナ禍のために一年間延期され、2021年10月から実施されることになった。
この時の出展作品の目玉が、「大蔵ざらえプロジェクト」によって収集された地域の民具や生活用具などの「地域のお宝」をリソースとしたアート作品群である。珠洲市の実行委員会が主体となり、サポーターたちとの協働作業によって、珠洲各地から寄贈の申し出のあった家々を訪れ、多様で大量のモノたちを収集した。これらのモノたちの多くは、市内の大谷地区にある旧西部小学校の体育館を全面改修したスズ・シアター・ミュージアムにおいて公開されることになった。ミュージアム内には、民具の紹介コーナーを含めた8つのエリアにアーティストの作品や民具の展示が行われている。
シンポジウムではまず、スズ・シアター・ミュージアムのダイレクターを務めた南条嘉毅から展示会場全体のコンセプトと作品を構成するまでの過程について発表していただく。次に地域を代表するキリコ祭りをテーマとした作品、「待ち合わせの森」を制作した大川友希からは、地域から集められた古布によって構成された祭りについての記憶の所在について解説してもらう。また川村からは、展示会場の最初に設けた「民具」の展示の解説とその意図について紹介する。さらに川邊咲子からは、大蔵ざらえの収集過程での資料の整理の方針とサポーターとの連携過程の成果と課題を発表する。
以上、アーティストと研究者の視点の交錯と対話によって生み出されたスズ・シアター・ミュージアムの試みを通して、民俗文化の活用・保存をめぐる新たな領域展開を目指したいと考える。
- プログラム:
- 〔趣旨説明〕川村清志「地域文化の<保存>と<活用>、そして、再創造」
- 〔報告〕南条嘉毅「芸術祭における地域や場所とアーティストの関係性」
- 大川友希「地域の記憶と時間を結び直す《待ち合わせの森》〜珠洲キリコ祭りより〜」
- 川邊咲子「アーティストと市民との協働による民具の“緩やかな保存”の取り組みと展望」
- 〔司会〕高科真紀
- 〔コメント〕山下裕作
- 共催:国立歴史民俗博物館・人間文化研究機構広領域連携型基幹研究プロジェクト「フィールドサイエンスの再統合と地域文化の創発」、「文化の主体的継承のための民俗誌の構築―マルチメディアの活用と協働作業を通じて」(科学研究基盤研究(B)18H00789)
第921回談話会(2022年9月4日・Zoomによるオンライン開催)
「もう一つの農 ―屋敷畑・菜園・市民農園―」
- 日時:2022年9月4日(日) 13:30〜16:30
- 開催方法:Zoomによるオンライン開催〔1会場を設定〕
- 開催趣旨:
- 商品作物を栽培する農業に対して、今回の談話会では、自家用野菜を栽培する小規模な農を取り上げる。土地利用・生活空間から見た屋敷畑、在来野菜の種子の継承に大きく貢献している菜園、日常の食生活を支えつつも楽しみの要素を含み持つ市民農園。民俗学ならではの視点
から、「もう一つの農」を多角的に考察する。
- プログラム:
- 〔報告〕小林力(八戸市教育委員会)「滋賀県湖東地方における屋敷畑の機能と形態」
- 永松敦(宮崎公立大学)「九州地方の菜園の機能―種苗の保存と在来野菜―」
- 安室知(神奈川大学)「市民農園を支える農の技術―15平方メートルの愉楽―」
- 〔司会〕古家晴美(筑波学院大学)
第922回談話会(2022年11月26日・Zoomによるオンライン開催)
「地域社会における民俗文化とメディアのあいだ」
- 日時:2022年11月26日(土) 13:30〜17:00
- 開催方法:Zoomによるオンライン開催〔1会場を設定〕
- 開催趣旨:
- 新型コロナウイルスの感染拡大は、SNSによる情報の発信・受信やリモートワークなど、身の回りのデジタル化を一気に加速した。メディアによって発信・受信される情報も多岐にわたり、かつ膨大なものとなっている。こうした情報は、コロナ禍において思うように現地調査ができないわれわれが現状を把握するための貴重な資料となっている。しかしながら、メディアに取り上げられない事象もまた数多く存在することは想像に難くない。だとすれば、それらの事象は研究からも取り残される可能性がある。
今回の談話会では、霊場恐山とメディア表象とのインタラクティブな関係や、東日本大震災被災地におけるドキュメンタリー映画製作および新聞報道を題材としながら、民俗文化とメディアのあり方について議論を深めたい。そしてその議論は研究者の調査対象への向き合い方の検討にも繋がってくると思われる。
- プログラム:
- 13:30-13:40 趣旨説明=才津祐美子(長崎大学)
- 13:40-14:20 大道晴香(國學院大學)
- 「情報の“欠落”から民俗文化を考える ―2000年代以降のメディア環境と霊場恐山の歩み―」(仮題)
- 14:20-15:00 我妻和樹(ピーストゥリー・プロダクツ/映画監督)
- 「人や地域を記録し、表現するということ ―現実との対話をめぐって―」
- 15:00-15:40 滝澤克彦(長崎大学)
- 「宮城県内被災地の神社祭礼と新聞報道」
- 15:40-15:50(休憩)
- 15:50-16:05 コメント=沼田愛(仙台市教育委員会文化財課)
- 16:05-17:00 総合討論
- 問い合わせ先:
- 日本民俗学会事務局
- TEL: 03-5815-2265
- E-mail: folklore★post.nifty.jp(★は@に変えて下さい)
第923回談話会(2022年12月4日・Zoomによるオンライン開催)
「関わり合う世界を描く ―人と動物を対象として―」
- 日時:2022年12月4日(日) 13:00〜16:00
- 開催方法:Zoomによるオンライン開催〔1会場を設定〕
- ※参加申込みは11月27日(日) 24:00に締め切りました。Zoom会議室情報は11月30日(水)8:20ごろに申込みをされた方のアドレス宛にお送りしています。
- 開催趣旨:
- 現代日本における人と動物との関わり合いを、いかに描くことができるのか。人と動物とが関わる事例を取り上げ、更にはアニマルスタディーズ、そして、マルチスピーシーズ民族誌の方法論・動向を確認することで、検討する。本談話会を通し、民俗学における人と動物との関わり合い研究に新たな視点を導入することを目指したい。
- プログラム:
- 〔主旨説明〕
- 13:00-13:15 三津山智香(筑波大学人文社会系)
- 「『人と動物の関わり合い』をいかに描くか」
- 〔報告〕
- 13:15-13:45 小林兆太(高知県歴史文化財課県史編さん室)
- 「遊びを通した自然認識 ―“クモ合戦”の事例から―」(仮題)
- 13:45-14:15 榎美香(千葉県立中央博物館大利根分館)
- 「女人講による犬供養と『犬不動』の流行 ―下総の事例―」
- 14:15-14:45 江口真規(筑波大学人文社会系)
- 「文学を通して動物について考える:近年の研究動向と実践から」(仮題)
- 〔コメント〕
- 15:00-15:20 近藤祉秋(神戸大学大学院国際文化学研究科)
- 〔総合討論〕15:20-16:00
- 〔司会〕
- 三津山智香(筑波大学人文社会系)・徳丸亜木(筑波大学人文社会系)
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