談話会記録-2014年 第873回〜第878回

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第873回談話会(2014年3月9日)

2013年度民俗学関係卒業論文発表会

会場:跡見学園女子大学文京キャンパス 2号館2601・2602・2606・2607教室
(文京区大塚1-5-2/東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅徒歩2分)
プログラム(各発表20分・質疑応答5分):
A会場=2601教室
13:30-13:55 「土に込める ―淡路瓦をめぐる生業と生活―」豊福啓人(関西学院大学)
14:00-14:25 「カヤブキ屋根からトタン・瓦屋根に変化した背景を探る ―宮城県大崎市三本木新沼を事例に―」豊田繁明(東北学院大学)
14:30-14:55 「富山県針山大工に見る現代の『西行』」高石美紗子(筑波大学)
15:05-15:30 「埼玉県下の熊手市 ―浦和調神社の十二日まちを中心に―」橋本カンナ(成城大学)
15:35-16:00 「嬉野花柳界の民俗誌 ―佐賀県嬉野温泉における芸妓のしごとと暮らし―」松尾朱莉(関西学院大学)
B会場=2602教室
13:30-13:55 「山の神行事・ノサカケの研究」塩田紀久代(京都造形芸術大学)
14:00-14:25 「求められる『行事』のあり方 ―群馬県利根郡川場村門前地区の『春駒』を事例に―」貝塚智紗(筑波大学)
14:30-14:55 「猪俣の百八燈からみる民俗行事の変容と伝承の現状」岡本夏実(東京学芸大学)
15:05-15:30 「祭礼における喧嘩の様相 ―愛媛県新居浜太鼓祭りの事例から―」曽我美智瑠(玉川大学)
15:35-16:00 「語りにみる凧合戦の担い手」佐藤敬(新潟大学)
C会場=2606教室
13:30-13:55 「分娩の場の選択と出産観 ―新潟県旧妙高高原町の事例から―」岡田芙柚伽(新潟大学)
14:00-14:25 「疱瘡習俗の研究」石垣絵美(國學院大學)
14:30-14:55 「経済動物の行方 ―競走馬の引退後について―」瀬川慎(成城大学)
15:05-15:30 「竹林伝承の研究」波田尚大(國學院大學)
15:35-16:00 「近年における喫煙空間の実態について ―高崎線沿線を中心としたパチンコ店の事例―」嶋一茂(ものつくり大学)
D会場=2607教室
13:30-13:55 「震災記録の可能性 ―新潟県中越地震・中越メモリアル回廊を事例に―」山田麻葵(首都大学東京)
14:00-14:25 「『語り』から考える今後の防災 ―岩手県大船渡市三陸町綾里の調査から―」山田佳菜子(首都大学東京)
14:30-14:55 「宮城県三本木地方におけるテマドリの慣行とその意義」三浦亜里紗(東北学院大学)
15:05-15:30 「戊辰戦死者の慰霊に見る旧藩意識 ―磐城平藩士子孫の会の事例より―」芳野貴典(東北大学)

第874回談話会(2014年5月11日)

2013年度民俗学関係修士論文発表会

会場:跡見学園女子大学文京キャンパス 2号館2601・2602教室
(文京区大塚1-5-2/東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅徒歩3分)
プログラム(各発表30分・質疑応答10分):
A会場=2601教室
13:30-14:10 「在勤制度にみる三極構造 ―下甑島の真宗寺院を事例に―」渡瀬綾乃(筑波大学大学院人文社会科学研究科)
14:15-14:55 「六斎念仏における信仰の創出と変容 ―寺院掌握における六斎念仏の宗教性を中心に―」山中崇裕(佛教大学大学院文学研究科)
15:05-15:45 「大和教団にみる巫者信仰の制度化とその葛藤」高棹健太(東北大学大学院文学研究科)
15:50-16:30 「近現代におけるかくれキリシタン信仰 ―信仰形態の変化要因に関する一考察―」小泉優莉菜(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科)
B会場=2602教室
13:30-14:10 「多胎児伝承の研究」藤崎咲子(國學院大學大学院文学研究科)
14:15-14:55 「御鳥喰神事の研究 ―瀬戸内海の伝承を中心に―」栢木希望(尾道市立大学大学院日本文学研究科)
15:05-15:45 「盆のタナオガミ習俗に見る家の共同性 ―新潟県村上市長松集落における事例から―」阿部奈津美(新潟大学大学院現代社会文化研究科)
15:50-16:30 「替えもの神事研究における鷽替神事の一事例」村山翠(武蔵大学大学院人文科学研究科)

第875回談話会(2014年7月13日)

政治化する「慰霊」―民俗学は応えられるか

会場:國學院大學渋谷キャンパス 2号館102号室
登壇予定者の変更について(お知らせ)(2014年6月25日)
 登壇予定者の丸山泰明氏が急病のため、及川祥平氏に変更になりましたのでお知らせいたします。
 及川氏からは、民俗学における死者論の偏向を問題化しつつ、「顕彰」が切り拓く議論の可能性を探って発表いただきます。
パネリスト:
丸山泰明(元・国立歴史民俗博物館特任助教)
「殉職者の慰霊と顕彰―警察と消防をめぐって」
及川祥平(成城大学民俗学研究所研究員)
「民俗学は『顕彰』をどう捉えるのか」
岡部隆志(共立女子短期大学)
「慰霊の心性」
コメンテーター:
西村明(東京大学大学院)
コーディネーター:
室井康成(建設資材販売会社勤務)・菅豊(東京大学東洋文化研究所)
開催の趣旨:
 今日ほど「慰霊」というビヘイビアが「政治」の文脈で語られ、その言説が力をもつ時代はないのではなかろうか。言うまでもなく「慰霊」とは、死亡した人間/動物に対する霊的処遇としての儀礼的行為を指すが、今日、日本において政治的文脈で語られる「慰霊」は、主としてアジア・太平洋戦争において発生した戦争死者に対するものであり、言わば国家という「公」のために死んだ人間に対する霊的処遇に限定されていると言ってよいであろう。
 ひと頃までは、例えば日本における過去の戦死者に対する「慰霊」のあり方が政治問題化したとしても、それは飽くまで「政治」の問題であって、一般の人々には関わりがないという、言わば「客分意識」をもってこれを他者化し、自己との無関係性を装うことも可能であった。しかし今日では、「慰霊」はあらゆるメディアを通して多くの人々を巻き込み、人々の属性を超えて"政治化"する様相を帯びている。言を換えれば、現代は「政治化する『慰霊』」という問題に無関係でいることが、難しくなりつつある時代であると言えるのではなかろうか。その背景には、電脳空間へのアクセスが容易になり、誰もが政治的言説の生産者たりうることが可能になったという技術的な側面や、この問題をめぐる国際社会の反応に対する日本の再反応など、いくつかの要因が考えられるが、それらに加えて、9・11や3・11の経験を通じて、再び「公」のために個を犠牲にするという死のリアリティが増幅してきた結果、そうした形態での死に対する「慰霊」の問題が、今日の日本においても身近に感じられるようになったということが指摘できるのではなかろうか。
 他方、これまで日本の民俗学では、この「慰霊」という問題に対し、他の学問分野から参照されるほどの数多くの研究を実施してきた。しかしながら、件の「政治化する『慰霊』」という問題には、十分に応えられているとは言えない状況にある。かつて文化人類学との対比の中で半ば自虐的に語られた「資料提供者としての民俗学」という斯学のマイナス面は、やはりこの「政治化する『慰霊』」という問題をめぐっても露呈している感が強い。
 そこで本企画では、「慰霊」という問題に対して豊富な資料を蓄積してきた民俗学が、「政治化する『慰霊』」という状況に対して、いかなる対応が可能なのか、あるいはまた不可能なのかという点について議論したい。登壇者には、『凍える帝国−八甲田山雪中行軍遭難事件の民俗誌』(青弓社)の著者で、旧軍関係者の広義の戦死の顕彰過程を追った丸山泰明氏と、日本上代文学研究が専門であるものの民俗学にも精通し、本企画のテーマに関する論著もある岡部隆志氏の二人に依頼した。またコメンテーターには、宗教学者で『戦後日本と戦争死者慰霊』(有志舎)の著作がある西村明氏に依頼した(いずれも承諾済み)。とくに丸山氏には、主に9・11以降に発生した戦争や自然災害における「殉職」の今日的意義を、「慰霊」という観点から論じてもらい、また岡部氏には、「政治化する『慰霊』」という現象の素地としてある、「公」のために死ぬことの意義付けをめぐって、「物語」を希求する人々の心意について発表を頂く予定である。
共催:現代民俗学会

第876回談話会(2014年9月14日)

日本民俗学と口承文芸

会場:國學院大學渋谷キャンパス 若木タワー地下会議室02
パネリスト:
花部英雄(國學院大學)
「昔話における民俗学的方法は終わったか」
鈴木寛之(熊本大学)
「神話・伝説・童話 ―昔話以前の事―」
重信幸彦(日本口承文芸学会会員)
「民俗学のなかの『世間話』」
コメンテーター:
山田厳子(弘前大学)
コーディネーター:
常光 徹(元国立歴史民俗博物館)
開催の趣旨:
 戦後の高度成長期やバブル経済の崩壊を経た日本社会は、全国的に均一的な都市的生活が浸透し、かつての民俗社会を一掃しつつある。民俗の受け手であった民俗社会の衰退は、口承文芸における民俗学的方法にも翳りを見せている。といって口承文芸の命数が尽きようとしているわけではなく、地域活動や子ども文化の面において新たな方向が求められているというのが現状のようである。日本民俗学における口承文芸とはいったい何であったのか、という問いがにわかに現実化してきたといえる。
 しかし、この問いは口承文芸がこれまで抱えていた問題でもあり、それが十分に検討されないまま現在にいたっているようにも見える。たとえば、日本民俗学会の会員で口承文芸を専門とする研究者は、他ジャンルの専門に比して決して多くはない。また、現在「日本民俗学会」がありながら「日本口承文芸学会」(「説話文学会」「日本歌謡学会」「日本昔話学会」など)の学会組織があるという現実も、そのことと関係があろう。いうなら日本民俗学における口承文芸は少数派で、異色な存在といえるかもしれない。日本口承文芸学会の会員には、いわゆる国文学系や外国語・外国文学、文化人類学の研究者が目立つ。口承文芸は説話文学や言語文化、国際比較の側面が強く、日本の民俗性や民俗学的方法を標榜するのにためらいが生じつつある。
 ところで、今回のシンポジウムはこのような口承文芸の内容上の特質を、口承文芸の研究史の問題としてとらえることを意図している。口承文芸が抱える問題を民俗学の形成期とリンクさせ整理してみようとするものである。口承文芸研究の先駈けとなった柳田國男の方法や目的を含めた学史の問題として検証していきたい。初期の民俗学における口承文芸研究の立ち位置を明らかにし、民俗学的研究方法の方向性と限界を、昔話、伝説、世間話の各分野から議論を提示し深化させたいと考えている。

第877回談話会(2014年11月9日)

(古)写真の資料化について:民俗学として何ができるか、何を期待されるか

会場:國學院大學渋谷キャンパス 学術メディアセンター1F 常盤松ホール
パネリスト:
羽毛田智幸(横浜市歴史博物館)
「アチック・ミューゼアムにおける写真資料の整理の中から」
小川直之(國學院大學教授)
「画像(写真)資料研究の可能性─折口信夫写真・坪井洋文写真を中心として―」
コメンテーター:
葦名ふみ(国立国会図書館司書)・三木理史(奈良大学文学部教授)
コーディネーター:
村上忠喜(京都市文化財保護課)
開催の趣旨:
 (古)写真は、資料としての汎用性の高さと同時に、資料批判の難しさから、安易な利用の危険性が指摘されてきた。一方、より一層の利用を期待する学問分野は多く、一般書においても様々に利用されてきている。それはひとえに、(古)写真に埋め込まれた情報の量の多さと多様性に起因する。それゆえ、(古)写真の資料化は、ひとつの学問分野だけで図られるはずもなく、分野を超えた協業が必要である。
 今回の談話会では、(古)写真を含めた映像の資料化等に、近年大規模かつ先駆的な研究を進めてこられた神奈川大学と國學院大學からお二方にご報告いただく。まず、羽毛田智幸氏より、アチック・ミューゼアムや渋沢敬三ゆかりの写真(アチック写真)の目録の作成作業を通じての課題や取り組みを整理し、利用されるための写真の資料化や公開する情報のあり方について話題提供をいただく。続いて小川直之氏より、國學院大學折口博士記念古代研究所所蔵の、折口信夫やその門弟が撮影した写真、雑誌などの編集過程で折口のもとに寄せられた写真、また坪井洋文が実地調査時に撮影した写真のデジタル化とデータベース化の紹介と、その過程で明らかになった諸問題から話題提供をいただく。
 それに対して文献史の立場から葦名ふみ氏、地理学の立場から三木理史氏よりコメントをいただき、(古)写真の資料化というアリーナにおいて、民俗学として何ができるのか、何を期待されるのかについて、フロアを交えて議論をしたい。
 (古)写真という、民俗学研究者ならだれもが一度は使われた資料であろうし、身近な問題として、会員諸氏をはじめとする積極的な御参加をお願いします。

第878回談話会=第31回東北地方民俗学合同研究会

「めぐり」と民俗信仰

日時:2014年12月6日(土) 13:00〜16:30
会場:福島県立博物館 講堂
(福島県会津若松市城東町1-25)
プログラム:
13:00 開会の辞:佐々木長生(福島県民俗学会会長)/司会:内山大介(福島県民俗学会)
13:05〜13:30 村中健大(青森県民俗の会)
「十和田湖のトワダ信仰―遠隔地参詣の事例として」
13:30〜13:55 齊藤壽胤(秋田県民俗学会)
「廻り儀礼の諸相―宮廻り神事からトッコウ、地蔵廻りなど」
13:55〜14:20 佐藤一伯(岩手民俗の会)
「木曽御嶽山の信仰と観光―岩手神明講と三十八史跡巡りを事例に」
14:20〜14:30 休憩
14:30〜14:55 デール・アンドリューズ(東北民俗の会)
「現代巡礼考―アニメ・ゲームから生まれた聖地」
14:55〜15:20 原淳一郎 (山形県民俗研究協議会)
「置賜地方における山岳信仰と成年式」
15:20〜15:45 菊池健策 (福島県民俗学会)
「枡を祀る祭り―御枡廻しをめぐって」
15:50〜16:30 総合討議
コーディネーター:岩崎真幸(福島県民俗学会)
共催:東北地方民俗学合同研究会・福島県立博物館
その他の情報1:
 今年度の東北地方民俗学合同研究会は「めぐり」をテーマに、東北における民俗信仰の地域性を考えてみたいと思います。神仏や霊場をめぐる巡拝・巡礼、来訪神や宗教者が集落をめぐる祭礼や行事、さらに観光やサブカルチャーなどと結びついた現代的な巡礼まで、幅広い意味での「めぐり」というキーワードをとらえます。
 なお当日、会場となる福島県立博物館では特別展「みちのくの観音さま ―人に寄り添うみほとけ―」(東北歴史博物館と共催)が開催中で、東北地方の観音像や寺宝、絵馬などの奉納物のほか「三十三観音めぐり」などに関する資料も展示しております(※展示室は最終入館16:30まで、17:00閉館)。
その他の情報2:
ご来場の方には資料代として500円を申し受けます。
懇親会(18:00〜/ボンジュール(会津若松市白虎町201 ワシントンホテル内)=会費5,000円。11月30日までに事務局(福島県民俗学会=福島県会津若松市城東町1-25 福島県立博物館内/TEL: 0242-28-6000/担当:内山大介・大里正樹)までお申込み下さい。

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